車の買い替え
20年以上乗った車、いよいよ買い替えだ。
父が知り合いから二束三文で譲り受けて2年、父の他界後自分が乗って2年、8月の車検を前にしてさすがに買い替えようと考えた。
最近はバッテリーとファンベルトの交換を余儀なくされ、ボディは傷だらけ、ワイパーは錆とともにゴムは切れ、満身創痍の状況であった。
自分自身での車購入は初めてだ。高価な買い物だけに、慎重を期して従兄に知り合いの車屋を紹介してもらった。
安価な中古車でよいと考えていたが、長い目でみて高くても新しいのがいいという従兄のアドバイス。彼には中古車購入後すぐ故障した苦い経験が何度かあるらしい。
そんなわけで紹介された店は新古車の専門店。新古車とはナンバー登録しただけでほとんど乗っていないものらしい。実質的に新車同様で新車よりも安いというのが売りで、人気があるようだ。
今乗っている車は車検が迫っている。買い替えの車をゆっくり探している暇はない。この店で車を決めることにした。
この店は軽自動車専門でもある。一人暮らしでかつ車での遠出はあまりしない。予算の面からも軽自動車で十分だ。
私は体が大きいほうなので、軽のわりには比較的大きな車を数種類選んだ。大きめの車はたいていが規格いっぱいの幅1.48m、全長3.4mらしい。車内が広く感じる車は、バンパーなどの室外の部分をいかに小型化するかと、高さ制限の2.0mにどれだけ近いかである。
私は新古車販売店に入り、販売員に希望の車種を伝えた。運よく在庫があった。それとは別に、比較のために類似する車種を2種類提示してもらい、実物を見せてもらった。3種類すべて異なるメーカーである。
3台とも社内の広さ、燃費、乗り心地など大差はない。だが値段が大きく異なる。高価なものほど、最新の付加価値が付いてくる。例えば、スマートキー、自動スライドドア、モニター、自動停止装置などである。他の理由もあるかもしれないが、総じて値段の差はこの付加価値部分によるものが大きい。
実際問題、付加価値など無くても大丈夫だ。どうせ大して乗らないのだから。だが便利なものを見ると欲しくなってしまう。
迷った挙句、一番高価なものを選んだ。当初の予算よりもかなり大きな金額となる。いいものに乗って、いい仕事をして、その分稼げばいいじゃないかという気持ちになってきたからだ。
それにしても、最近の軽自動車は驚くほど性能が良くなっている。人気があるのもうなずける。
納車まで1週間ほどある。それまでは父から引継いだポンコツ車の乗り納めだ。